第11回高野八葉全国俳句大会
令和8年7月19日(日)
今年で11回目となる「高野八葉全国俳句大会」が7月19日、世界遺産の高野山大師教会に於て開催された。回を追うごとに投句数も増えており、今年は応募句が1143句となり、当日参加者は94名。下界より5度以上涼しい標高800メートルの高野山に集合した。
選者は浅井陽子・朝妻 力・久保純夫・佐怒賀正美・柴田多鶴子・鈴鹿呂仁・谷口智行・名村早智子・西宮 舞・花谷 清・堀本裕樹・宮谷昌代・森田純一郎・山田佳乃の各氏と和歌山俳句作家協会役員選者にて、金剛峯寺賞他各賞が決定。
【応募句の部】の最優秀(金剛峯寺賞)の井澤佳代子さんには、金剛峯寺の近藤本淳総務部長より、賞金と入賞句を刻んだガラスの盾が贈呈された。
また今年は和歌山県出身の堀本裕樹氏による「和歌山を詠む」という講演があり、ご両親が住まわれた本宮や新宮の中上健次の話など、興味深い話をいただいた。
【当日句の部】では、選者を含めて全員が投句し、参加者全員の選句、披講、点盛りのあと入賞者が決定。金剛峯寺賞は山本はじむさんに授与され、応募句の部同様、入賞句を刻んだガラスの盾が進呈される。応募句の上位五句と当日句の上位五句は、短冊に揮毫され、一年間金剛峯寺新別殿に掲示される。応募句の入賞者、選者特選、当日句の入賞者は以下のとおり。
【応募句の部】入賞者
《金剛峯寺賞》
満願の杖を洗ひぬ夏の月 井澤佳代子
《和歌山県知事賞》
向かひ合ふ山も段畑花蜜柑 中村眞由子
《高野町観光協会賞》
新樹光熊野古道が通学路 島本美紀
《高野町宿坊協会賞》
交番も高野の寺領蔦紅葉 矢出春良
《高野町商工会賞》
高野より散華の如く風花す 丸山富紀子
(以上の五句は短冊に揮毫して金剛峯寺新別館に一年間掲示)
《高野山出版社賞》
健次忌の過ぎて三角波立ちぬ 中森常夫
《和歌山俳句作家協会賞》
耕せり地球を少し借り受けて 岡田邦男
《和歌山文化協会賞》
我が影に日銭を稼ぐ汗落とす 小谷一夫
《テレビ和歌山賞》
杉落葉踏み千年の時を踏む 出﨑美智子
《和歌山放送賞》
錫杖の音は光に若楓 近藤詩寿代
秀逸賞
万霊を鎮めて涼し奥の院 出水カズ代
母の日の母一生の笑ひ皺 高柳しずか
籐椅子の凹みも夫の遺品かな 森山久代
海見ゆる丘のぶらんこ海へ漕ぐ 三上孝子
青簾や客来て夫も国訛 桑原里美
文机は余生の友や春障子 出﨑美智子
花と花触れて牡丹の崩れけり 北野恵美子
新緑の香や黒板にみすゞの詩 中浴智美
藍甕のふつふつ匂ふ夏はじめ 政元京治
波音の優しさ知るや帰省の夜 山岸正子
【当日句の部】
《金剛峯寺賞》
片陰の途切れ珠数屋の客となる 山本はじむ
《和歌山県知事賞》
涼しさに軽くなりたる力石 中島玲子
《高野町観光協会賞》
古団扇腰に高野の槙を売る 浅井陽子
《高野山宿坊協会賞》
水絶ゆることなき高野星涼し 高倉明子
《高野町商工会賞》
夏季講座三鈷の松葉栞にし 安宅川佳子
《高野山出版社賞》
宿坊の門限まぢか星涼し 東岸香代子
《和歌山文化協会賞》
山の水貰ひ棵足を洗ひけり 森本美和
《和歌山俳句作家協会賞》
雑念を払へぬ写経蟬の声 金川桂子
《テレビ和歌山賞》
かなかなに呼び戻されし夢枕 中村恵美
《和歌山放送賞》
靴底に苔の弾力青高野 山本一郎
秀逸賞
青葉木菟鳴けば高野の星増えて 中浴智美
生身魂気づかぬふりは処世術 清水洋子
霊水に翅の煌めき川蜻蛉 浦貴子
夏つばめ数珠屋下駄屋の軒潜り 竹内輝
蛍や狩行の句碑に星の文字 市川順子
柱無き大講堂の涼しさよ 嶋田嘉鶴子
おひさまに食べられてゐる氷菓かな 中島走吟
七夕の笹に言葉のやうな風 北岡ゆみ
今世の悪夢吐くごと雲の峰 奥田瞳
大蟻も宝を運ぶ霊宝館 梶谷幸子




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